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【世直し系YouTuber】チケット転売ヤーを「私人逮捕」してることについて思うこと。

 

こんにちは。
こむぎ子犬(@nogi_monster)です。

今回の記事は最近話題の世直し系YouTuberによる私人逮捕についてです。
法律の問題を取り扱っているため、もし間違いがございましたらご指摘の方をお願いします。

2023年8月の終わり頃にとある自称YouTuberの動画がX(旧Twitter)に流れてきた。

内容は乃木坂46の『真夏の全国ツアー2023』明治神宮球場のチケット転売ヤーを羽交締めにし私人逮捕するというものだった。

僕もこの公演に行っており、その裏でこのようなことが起きているとは思わなかった。

チケットの転売ヤーを撲滅するという目的でやってるというこの行為に僕は疑問に思いました。

そもそも「チケット転売」がなぜダメなのか。

問屋とかのせどりやメルカリなどでおもちゃや限定品の転売とは何が違うのか先に説明しておきます。

チケットに関しては、
2019年(令和元年)6月14日に施行された『チケット不正転売禁止法』という「特定興行入場券(チケット)」の不正転売の禁止や興行入場券(チケット)の適正な流通の確保に関する法律でチケットの転売は禁止されている。

ただし「チケット不正転売禁止法」が施行されてるからと言ってチケットの転売をしたらダメというわけではありません。

チケット転売禁止法について消費者庁のホームページにはこう書かれてます。

不正転売とは、興行主に事前の同意を得ずに反復継続の意思をもって行う有償譲渡であって、興行主等の販売価格を超える価格で特定興行入場券を転売することを意味します。

禁止される行為は「特定興行入場券(チケット)を不正転売すること」、「特定興行入場券(チケット)の不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受けること」であり、

「特定興行入場券」とは、不特定又は多数の者に販売され、かつ、次の1から3までのいずれにも該当する芸術・芸能やスポーツイベント等のチケットをいいます(ただし、日本国内において行われるものに限る。)。

  1. 販売に際し、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨を明示し、その旨が券面(電子チケットは映像面)に記載されていること。
  2. 興行の日時・場所、座席(又は入場資格者)が指定されたものであること。
  3. 例えば、座席が指定されている場合、購入者の氏名と連絡先(電話番号やメールアドレス等)を確認する措置が講じられており、その旨が券面に記載されていること。

※座席が指定されていない立見のコンサート等の場合、購入者ではなく、入場資格者の氏名と連絡先を確認する措置が講じられており、その旨が券面に記載されていること。

違反したときの罰則は1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はその両方が科されます。

チケットの転売は、業者だけでなく個人であっても、反復継続の意思をもって、販売価格を超える価格でチケットの転売が行われていれば、「不正転売」に該当し、罰則の対象となります。

 

引用元 : COLUMN11 「チケット不正転売禁止法」について | 消費者庁

わかりやすく「反復継続の意思」のところを赤くしました。

チケット転売禁止法は「反復継続」つまり1回だけでなくチケットの転売を目的として何度も転売することが違法になるのです。

話を戻します。

疑問に思ったのは「チケット転売禁止法」に抵触したから私人逮捕をしたのか。
私人逮捕の要件を満たしていないのではないかということ。

これじゃ僕が転売ヤーの肩を持ってるかのようですが、そうではありません。

危惧していることは転売ヤーを法的に捌けなくなるということ。

私人逮捕した自称YouTuberのチャンネルにアップされていたフル動画も確認しました。

動画内容はSNSでチケット転売を見つけて自ら転売ヤーからチケット購入の意思を伝え誘き寄せて私人逮捕するという劣悪なものだった。

転売ヤーにYouTuber自らチケット購入の意思を伝え転売ヤーに不正転売をさせようとしていたというこの行為は一歩間違えればYouTuber側が『教唆犯』で処罰の対象になる。

そして、さらにチケット不正転売禁止法に抵触していない状態の転売ヤーを「犯罪者」と叫び追いかけ羽交締めにし私人逮捕してしまう。

これは『逮捕・監禁罪』と『暴行罪』に該当する恐れがある。

つまり、転売ヤーにチケットの転売をさせようとした挙句、犯罪者じゃない人を犯罪者呼ばわりして勝手に私人逮捕してるんです。

これでは転売ヤーを逮捕して司法で裁くことはできない。

仮に逮捕することができたとしても、この動画が証拠になり無罪になる可能性がある。

警察の地道の捜査を水の泡にしているどころか、より転売の仕組みを複雑にして警察が検挙しにくい状況を作ってるだけなのです。

チケット転売を心の底から撲滅したい人からしたら非常に迷惑な話。

今まで乃木坂46のファンは転売ヤーから買わないとみんなで声をあげてきた。

チケットの売買サイトで転売されてるのを見かけたら一斉に報告してチケットの出品をチケット売買サイトの運営側にキャンセルしてもらうなど努力をしてきた。

もちろん、ここまでしても転売ヤーはいなくならいし転売ヤーからチケットを買う人もいます。

転売する人が悪いのは百も承知。
でも、いまの現状では転売ヤーを完全撲滅することは難しく、逮捕に至るまでも警察による慎重な捜査が必要。

ファン同士で転売ヤーから「チケットを買わない」を徹底しチケット販売サイトの運営・ライブ運営に通報することが最善なのではないかと思う。

YouTube側もチケットの転売ヤーを私人逮捕するのではなく、弁護士や法律の専門家から助言を受けながら転売ヤーの身元をライブ運営側に通報すると共に、警察側には情報提供という形にすればよかったのではないかと思う。